自動車の鍵の進化について

私達の生活でもっとも身近な鍵はもちろん住宅の鍵ですが、その次に身近な鍵といえば自動車の鍵ではないでしょうか。一般に「キー」と呼ばれることも多い自動車の鍵は、住宅用のそれと異なりここ20年ほどで大変進歩したなと思います。その自動車の鍵の発展を振り返って見ましょう。80年代までは自動車の鍵は大変簡素な構造でした。自動車のドアの錠の開閉と、エンジンを点火する鍵としての二つの役割を併せ持つのは今と変わりません。ドアの錠前をかけた状態でドアノブを引いたままドアを閉めるとロックがかかるのも今と同じですが、構造が単純なため鍵を車内に置いたまま錠前をかけてしまっても、針金のような金属線で簡単な工具をその場で作り窓とドアの間に差し込んで引っ掛けて引き上げるだけで開いたものでした。今から思えば、さほど車上荒らしが無かったのが不思議なほどの造りですが、あの頃は今と比べて治安もよく、車内にカーナビのような高価な装備が無かったせいかもしれません。その後80年代の後半から自動車の鍵も造りが良くなり針金のような工具では開錠することは困難になりました。すると鍵を車内に置いたまま施錠してしまうケースが増えてきました。錠前を開錠する鍵屋さんが街に増えたのもこの頃からだと思います。その対策グッズもカー用品店に現れました。スペアキーをバンパーの裏などに隠すためのケースがそれです。ただし、これは防犯上の問題がありました。90年代に入ると、自動車メーカー側も対策を始めます。エンジンを切り鍵を挿した状態でドアを開けると警告音が鳴るようになりました。次にキーレスエントリーシステムが装備されるようになり、自動車の近くで鍵についたスイッチを操作することで施錠・開錠ができるようになったのです。これで施錠することが習慣になると常に鍵を手に持った状態で施錠するわけですから、鍵を車内に忘れることは激減しました。また、このキーレスエントリシステムはどうしても自動車の鍵穴周りに傷がついてしまうことを防ぐ副作用もありました。今では最廉価グレードの軽自動車にもキーレスエントリシステムが標準装備されるようになっています。

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